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2024.4.22 『リズム』

 最近読んだ千葉雅也の『センスの哲学』が面白かった。最近始めた映画感想会でも、どちらかと言うと言語化出来ないシーンの美しさより、映画の意味を求めてしまう僕には目から鱗のような本だった。目に見えるもの、聞こえるもの、感じるものをリズムとして捉える。素敵な感性だなって思える詩や短歌やエッセイに憧れた。日常の生活にある何気ない風景をリズムとして捉えると風にそよぐ木が美しく見える。通路に飛び出さないようにと不自然に切られた枝が面白く見える。つまりはそういうことなのだと気づく。関係あるのかないのかわからないけど、茨木のり子の「自分の感受性くらい自分で守ればかものよ」という言葉を思い出す。パサパサに乾いてゆく心。

 リズム。少し自分の都合の良い言葉に置き換えると、何事も気分だと思えるようになる。仕事に余裕があると、少し勉強しようかなと思えるし、仕事に余裕がなくなると心を回復させようと自分の好きなことを必死にやる。本を読むのがしんどい時期もあった。映画を観るのもしんどい。心を回復させたいのに好きなことをする力もない。次の日のことを考えるとお酒も飲みたくない。そして、少し衝動的だったけどゲームを買った。スイッチライト。ゲームはキャサリン・フルボディというパズルゲーム。ずいぶん昔にキャサリンをプレイしてただ登っていくパズルにハマった記憶を思い出した。あの頃は恋愛のれの字もなかったのでストーリーは適当に進めてたけど、彼女がいて、結婚をした友人や、子どもがいる友人を目の前にするとなかなかに面白いストーリーだなと思う。面白いのにヴィンセントに全く共感、感情移入出来ない自分がいるのも面白い。という感じでパズルをしていたのだけど、バーで友人や客とお酒を飲むのが楽しい。寝たくないという理由で毎日通うバー、幼なじみや顔馴染みの店員、どこかで見たことのある客と話をしながらお酒を飲むのがとても楽しい。

 話は脱線した、というかキャサリンのゲーム、パズルないしバーでのお酒が楽しいことを書きたかったのだけど、この日記で書きたかったことは長らく離れてたゲーム、本や映画を優先したいために手放したゲームという新しい風を生活に入れて、新しいリズムを作り出した。仕事、勉強、本、映画、ゲーム、なかなか運動は出来ないけど、ローテーションでもなく、気分だけど気分とは少し違うようなリズム。噛み合っていなかった生活が噛み合うようなってきた。

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